教育資金の非課税贈与制度と令和7年最新動向:申告・注意点・節税対策まとめ

こんにちは、税理士の武田です。
今回は、「教育資金の非課税贈与制度と令和7年最新動向:申告・注意点・節税対策まとめ」を具体例を踏まえて簡単に解説致します。

この記事はこんな人におすすめ!
- 教育資金の非課税贈与制度の活用を検討している方
- 近年の改正を確認したい方
- 制度利用時の注意点について確認したい方
子どもや孫の教育費負担を軽減するために、「教育資金の非課税贈与制度」が用意されています。
この制度を活用すると、祖父母や両親から教育目的で贈与された資金について、一定額まで贈与税がかからずに済みます。
令和7年(2025年)時点でも本制度は延長されて継続中で、近年の税制改正によって見直しも行われています。
高額な教育費がかかる昨今、本制度をうまく使えば子や孫の将来を支援しつつ、自身の相続税対策にもつなげることができます。
本記事では、教育資金贈与の非課税制度の基本ルールから、令和5年度改正による最新動向、申告手続きの方法、誤りやすいポイントや節税対策への活用法まで、詳しく解説します。
教育資金非課税贈与制度の基本ルール(対象者・限度額・対象資金)
まず、教育資金非課税贈与制度を利用できる対象者や非課税となる金額・資金の範囲を整理しましょう。
対象者と非課税となる金額・資金の範囲
上記の条件を満たせば、祖父母等の贈与者が受贈者名義の専用口座に教育資金を入金し、所定の申告手続きを行うことで、贈与税が課されません。
非課税で認められる教育資金はあくまで教育目的に限られており、実際に資金を使った際には金融機関に領収書等を提出して証明する必要があります。
国税庁:祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

教育資金非課税制度は、令和6年3月末時点で契約件数:26万8,182件、金額にして約2兆414億円と多くの方に利用されている制度です。
令和5年度改正点と令和7年時点での制度動向
教育資金贈与の非課税制度は創設以来、適用期限の延長と条件見直しが繰り返されてきました。
直近の令和5年度税制改正では、本制度の適用期限が3年間延長され、令和8年3月31日まで利用可能となっています。
当初は利用件数の減少や「富裕層優遇」との指摘から令和5年での廃止も検討されましたが、政府の政治判断により延長が決まりました。
令和5年度改正では単なる延長に留まらず、制度の適用条件にも重要な変更が加えられています。
以上のように、令和5年度改正では制度が令和7年以降も継続する一方、主に高額資産層に対して課税が強化される内容となっています。
教育資金贈与の特例は令和7年現在も有効ですが、2026年以降の延長は未定であり、今後の税制改正にも注意が必要です。
教育資金非課税贈与の申告・手続き方法
教育資金非課税の特例を受けるためには、所定の手続きを踏む必要があります。具体的には次のような流れになります。
具体的な手続きの手順
- 金融機関で専用口座を開設
- 本制度を取り扱う信託銀行や銀行にて、受贈者(子・孫)名義の教育資金管理専用口座を開設します。口座開設の際に、贈与者と受贈者(代理の親権者)が契約書類に署名します。
- 非課税申告書の提出
- 口座開設と同時に、金融機関を通じて税務署宛に「教育資金非課税申告書」を提出します。この申告書には贈与者・受贈者の情報や拠出額等を記載します。申告書の提出先は贈与者の住所地を管轄する税務署で、金融機関が取り次いでくれるため個人で税務署へ行く必要はありません。
- 資金の拠出(入金)
- 非課税申告書提出後、贈与者から教育資金専用口座へ資金を振り込みます。贈与は一括でも複数回に分けても構いませんが、非課税申告は拠出のたびに行う必要があります。合計で非課税枠(1,500万円)を超えない範囲で計画的に拠出しましょう。
- 教育資金の払い出し
- 受贈者(実際には親が代理)が教育費を支払う段階になったら、専用口座から資金を引き出します。払い出し方法には、支払済みの費用について領収書を提出して払い戻しを受ける方法と、請求書等を提出して金融機関から教育機関等へ直接支払ってもらう方法の2種類があります。
- 領収書の提出と管理
- 払い出した資金が本当に教育目的に使われたことを証明するため、支払い後に領収書や契約書等の書類を金融機関へ提出します。領収書の提出期限は、その費用を支払って口座から引き出した年の翌年3月15日です。提出された領収書類は金融機関が保管・管理し、必要に応じて税務署へ報告されます。
以上の手続きを経て、支払いが適正な教育資金と認められれば、その贈与額について受贈者に贈与税は課税されません。なお、制度を利用した贈与については通常の贈与税の申告も不要です(非課税申告書の提出により代替されるため)。
誤りやすいポイントと制度利用上の注意点
誤りやすいポイント
節税対策としての教育資金贈与の上手な活用法
教育資金の一括贈与特例は、相続税対策・生前贈与の手段としても有効です。以下に、節税効果を高める活用上のポイントをまとめます。
教育資金贈与の上手な活用法
よくある質問と税務上の注意点
Q1.
-
教育資金贈与を受けた場合、贈与税の申告は必要ですか?
-
所定の「教育資金非課税申告書」を金融機関経由で提出していれば、別途で贈与税の申告書を提出する必要はありません。
非課税枠内で正しく手続きを行った贈与については、税務署に申告しなくても非課税が適用されます。
Q2.
-
教育目的なら何に使ってもよいのですか?パソコン購入なども対象になりますか?
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学校の授業やオンライン学習に必要と学校等が認めたものであれば、パソコン購入費も教育資金に含めることができます。
通学定期券代や留学の渡航費なども対象です。ただし、受贈者が23歳に達した後に新たに支払う費用については、職業訓練の受講料など一定の場合を除き非課税の対象にならない制限があります。
いずれにせよ、学費や関連費用以外(例えば生活費や娯楽費)は非課税になりませんので注意してください。
Q3.
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贈与した教育資金を使い切らなかったらどうなりますか?
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受贈者が30歳に達した時点で契約終了となり、使い切れず残っていた金額には贈与税がかかります。
例えば1,500万円贈与して300万円余った場合、その300万円に対して贈与税の申告・納付が必要です。令和5年改正によりこの残額に対する税率は一般の贈与税率となったため、場合によっては20~30%以上の贈与税負担が生じる可能性もあります。
Q4.
-
万一、贈与者(祖父母など)が亡くなったら贈与資金はどうなりますか?
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贈与者の相続発生時に教育資金口座に残額があれば、それは相続財産として扱われます(受贈者が祖父母から相続により取得したものとみなされます)。
受贈者が23歳未満の場合など一定のケースではその残額を相続財産に含めないことも認められていますが、贈与者の遺産額が大きい場合(5億円超)にはその例外が適用されず課税されます。
したがって贈与者が高齢で資産規模が大きいケースでは、非課税枠に頼りすぎず計画的に贈与・消費していくことが重要です。
Q5.
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教育資金の一括贈与と通常の年間110万円贈与は併用できますか?
-
併用自体は可能です。教育資金の用途以外にも資金を渡したい場合、まず本制度で教育資金を非課税贈与し、それ以外の生活費などは年間110万円の基礎控除内で贈与する、といった組み合わせも考えられます。
ただし、110万円枠で贈与する場合は通常通り贈与税の申告が必要になるケース(基礎控除を超える場合)に注意してください。
以上のように、教育資金の非課税贈与制度には多くのルールと留意点があります。
制度を正しく理解しないまま利用すると、後から予期せぬ課税を指摘される恐れもありますので、不明点があれば必ず専門家に相談しましょう。
まとめ:専門家への相談も検討しよう
教育資金の一括贈与非課税制度は、子や孫への支援と税負担軽減を両立できる魅力的な制度です。
しかし、その反面、適用要件や手続きが細かく定められており、使い方を誤ると思わぬ税負担が発生するリスクもあります。
特に近年の法改正で制度内容が変更されていますので、最新のルールを踏まえて計画を立てることが重要です。
本記事で解説したポイントを参考に、制度のメリットを最大限に活かしつつ、デメリットを回避できるよう準備を進めましょう。
大きな金額の贈与や相続対策を検討している場合は、税理士に相談することで、安全かつ効果的なプランを立てることができます。
教育資金贈与の非課税枠を賢く活用して今後の贈与計画などに活かして頂けますと幸いです。
- おしどり贈与は以下で解説しております。

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